2020.01.10

きぐるみのクリーニング

日常ブログ

こんにちは。

 

寒い日が続いております。

皆様いかがおすごしでしょうか。

 

 

現在フォーカスでは、きぐるみのメンテナンスまつり絶賛実施中。

クリスマスから年末年始のイベントシーズンがが終わり、一年間使い尽くした着ぐるみメンテナンスのご依頼が、全国の自治体さんや企業さんよりわんさかと殺到しております。

 

今日は天気がいいので、倉庫外の洗い場でクリーニング作業に勤しんでおります。

 

 

って言っても私がやっているわけではなく、わが社の社長が朝から夕方まで、わっせわっせと寒いのに汗をかきかきやってます。

クリーニングと一口に言っても、一般のシャツやズボンをクリーニングするのとは少し勝手が違います。

 

 

まずはクリーニングする着ぐるみの状態を確認。

クリーニングに耐えうるだけの強度があるか、破損部分はないか等を目で見て、手で触って確認します。

自分たちで造ったきぐるみであれば素材についても、製作方法についてもよくわかっているので良いのですが、ほかの会社さんで製作した着ぐるみをクリーニングする場合は、使用している素材は何かなどわからないことが多いので、気になる部分(色落ちしそうな生地や送風機の取り外し方、埋め込み方法、などなど)について詳しく時間をかけて確認します。

 

軽微な補修(多少の縫製部分のほつれや、接着面の剥がれ等)についてはその時に補修をしてしまいます。

軽微な補修については、クリーニング費用に含んでいるので追加費用は不要です。

 

しかしクリーニングをするにあたり、まず補修をしてからでないと着ぐるみ自体が耐えられない程度の破損については、クライアントへ確認しどのように進めるか相談の上で進めていきます。

ほとんどの場合は追加費用が発生することをご納得いただくことが多いのですが、稀にそこまで費用をかけられない、となることがあります。

その場合は申し訳ありませんが、クリーニング自体ができないのでそのままお返しすることになります。

 

 

問題なくクリーニング作業に進むと、今度は付属のパーツ全てを写真に撮り、汚れ具合や破損状況の確認だけでなく、今お預かりしている内容物を把握、確認します。

その着ぐるみ1体だけであればそこまでしなくとも問題はあまり発生することはないのですが、この時期の繁忙期は社内でお預かりしているきぐるみの体数が多く、内容物を間違うことがないよう確認することにも役立ちます。

 

写真を撮り終わるとやっとクリーニング開始。

パーツごとに一つずつ手洗い。液体洗剤をメインに企業秘密の材料を使い、生地や素材に優しいのはもちろん、併せてきれいになるよう洗っていきます。

素材によって水がよかったり、ぬるま湯がよかったり、熱めのお湯がよかったり、色々と手を変え品を変えてキレイキレイにしていきます。

洗い方も押し洗いしたり指先でこすってみたり、ブラシを使ったり浸け置きしたりと手間暇かけて作業します。

 

 

洗い終わると次はすすぎ。

何度も水を変え、また流水で長時間すすぎをします。

水を吸い込む素材が多いので、とても重たくなりホントに重労働です。

 

 

すすぎ終わると柔軟剤。

うちの会長は柔軟剤が大嫌い。

かくゆう私もあまりあの強い匂い(香り)が好きでありません。

しかし特にボア生地を使用している着ぐるみに対しては必要不可欠な材料です。

まあ匂いなのか香りなのかは、個人の主観。

世間の大多数の方はあの香りが好きなのだと思います。

それだけでなく前述していますが、ボア生地をほわッと柔らかくさせるには柔軟剤が一番良い、必要不可欠なものなんです。

 

柔軟剤をまんべんなく着ぐるみにかけ、少し時間をおいてきれいにすすぎ作業。

すすぎが悪いと微妙にネタッとした感触が残ります。

また着用するごとに良い香りではなく、嫌な臭いに変わっていってしまいますので、すすぎ残しがないように時間をかけて流します。

 

柔軟剤のすすぎが終わると次はパーツごとに脱水。

脱水といっても洗濯機に入れて脱水できるわけでもなく、手でボア生地の毛の流れに沿って水を切っていきます。

靴の内部などの水が抜けにくい部分については、逆さにしたり強力な送風機を使って水を抜いていきます。

 

ある程度水が切れた状態で、ボア生地の毛を整えていきます。

いろんな方法がありますが、フォーカスでは小型犬用のブラシを使い、毛の流れに沿って梳いていきます。

大型犬ぐらいあるのに小型犬用のブラシを使うので、ここでもまた時間と手間がかかります。

 

以上を1日半から2日間程かけ作業していきます。

 

 

それが終わって乾燥の作業。

直射日光の当たらない、風通しの良いところで陰干し。

直射日光は少しだけあてます。長い時間あてると生地の退色の原因になります。

しかしやっぱり太陽光に少しでもあてると、仕上がりが違うので(違う気がするので)少しだけあてます。

まんべんなく乾くよう時間ごとに置く向きを変えます。

 

これを約10日間~2週間続けて完成。

 

最後にもう一度破損やほつれ、剥がれなどがないか確認し、あった場合は再補修をして、本当の終了。

 

 

 

思ったよりも長文になりました。

案外手間がかかるでしょ。

 

普通のクリーニング屋さんとは違った手間暇がかかります。

繊細さでは負けるかも、ですが体力的には勝ってます。

 

 

といった感じの本日のブログ。

結局はアタマよりもカラダな会社なフォーカスってことが分かったというところで、本日は終了させて頂きます。

 

ではまたそのうち~